「こんにちは~」と病室へ入ると、顔をしかめながら夫はベッドに横たわっていました。
「う゛ー」
「あ゛ー気持ち悪い」
「ポカリも気持ち悪くて飲めないから、お茶買ってきて!」
と、投げ捨てるように言い放ちました。
売店にて、
おーいお茶×3本
グレープフルーツジュース×1本
トマトジュース×2本
を買い、病室に戻ると、点滴が終わっていて、さっきより、少しばかり機嫌も良さそうです。
すると、マナ(1歳4ヶ月の娘)はどうしてる?と普段のように話し始めたので、マナの夕べの様子をビデオで見せると、「あー、帰りたくなるな」と一言。
その後、「やっぱり、家がいいな~、なっ?」と夫が切なさ混じりにつぶやきました。
私は「そうだね~」と軽く返事をしただけでした。
面会時間が終わり、病院から出ると、外気がヒヤッと頬をかすめました。
と同時に、突然、「やっぱり、家がいいな~」の一言が浮かび、
なんてことはない会話だったはずなのに、目頭が熱くなるのを感じました。
深呼吸、深呼吸。と言い聞かせ、家路につきました。