2014/09/08
血液がん動画で解説 佐賀大専門医らネット配信
佐賀大学医学部などの血液がんの専門医有志が、がん医療の情報発信に取り組む東京のNPO法人と共同で、白血病や悪性リンパ腫などの血液がんの治療やメカニズムを解説するインターネット動画の配信を始めた。専門医が、直接語りかける形で代表的な症例や治療法の特徴を詳しく解説している。
日常の外来診察では、医師による患者への説明の時間が限られてしまい、「十分な情報が伝えられているのか」という懸念があった。患者やその家族が動画を繰り返し見ることで病気を正しく理解し、治療を納得しながら受けることができる環境を整えようと制作した。
動画には、佐賀大学医学部で血液・呼吸器・腫瘍内科を担当する木村晋也教授のほか、末岡榮三朗准教授や県医療センター好生館の久富崇医師ら計7人が出演している。病気や治療法別に全12講座あり、1回20~40分程度。
動画で木村教授は、急性リンパ性白血病は小児で95%、成人は75%が症状が落ち着いて安定した状態の「寛解」というデータを紹介し、「血液のがんは治療が非常に進歩している分野で、白血病は不治の病ではない。しっかり治療して完治を目指しましょう」と呼び掛けている。
血液のがんは高齢化社会で患者が増えていくことが予想されるという。種類によって進行が速度や治療法、病後の経過も異なるため、患者の理解が適切な治療への第一歩となる。木村教授は「治療の手順や段階を知ることで次にどんな症状が現れるか予測でき、精神的な負担を和らげることもできる」と話す。
共同制作したNPO法人キャンサーネットジャパンは、新しい治療法が確立された場合などに動画を最新情報に更新していく。「血液のがんは骨髄ドナー提供など患者以外の理解も不可欠。多くの人に見てほしい」と話している。サイトURLはhttp://www.cancernet.jp/hematologiccancer/
佐賀新聞より引用